現職に入社したときにこういうエントリを投下していたが、いつの間にか5年経過してた。
CAにおいては5年在籍すると家賃補助の福利厚生が「2駅ルール(勤務地から2駅圏内で3万円補助)」から「どこでも5(勤務地問わず5万円補助)」にグレードアップするので、社員にとっては勤続5年は一つの区切りとして捉えられている。
所感
まず単純な所感だが、まさか5年いるとは思わなかったということに尽きる。入った当初は2年間で100の新規事業を作ると言って大量採用をやっていた時期で、自分はある程度その流れが落ち着いたタイミングだったので同時期に入社したメンツは結構少なかったと記憶している(ほとんど生存してない説ある)。
最初はプロジェクトが立ち上がって2ヶ月ぐらいのしがないソーシャルゲームのプロジェクトに入ったのだが、既に運用開始していたプロジェクトのソースをメンバーが横展開で持ってきて開発が始まっていたのだが、あまりにも出来が悪かったので入社2週間でプログラムも構成も開発フローも破壊しつくしたことを覚えている。当時の弊社は開発系メディアに露出してるようなトップ層を除けば、中間層の技術力というのは結構ひどかったと思う。
ゲームの後は横軸組織に1年ぐらいいて、個々のプロジェクトの開発効率を上げるみたいなミッションのソロ活動をしていた。アプリケーションサーバの起動に10分とかかるというゲームのプロジェクトがあって、かつサーバサイドレンダリングとビジネスロジックが適切に分離されていなかったため、ViewやJSを書くフロントエンドエンジニアにまで長いサーバの起動時間を強いるという非常に笑えない開発をしていたので、そんな無茶苦茶な構成でもフロントエンドエンジニアがサクサク開発できる黒魔術なモックサーバを書いて勝手に投入したりしていた。あとは、CircleCIを使って開発をしたかったので、CircleCI Enterpriseの誘致活動等をやってた(確か日本では弊社が一番最初の顧客だったはず)。末期は偉い系エンジニアな人からツールの開発みたいなのが降ってきたが、そもそも依頼主が突然退職したし、自分も開発意義がわからなくなったのでモチベーションが地に落ちた。
そこで異動希望と転職の二軸で動き出したが、生放送配信プラットフォーム(現在のFRESH!)の立ち上げやらせてもらえるってことになって面白そうなので異動した。それからの2年半はまさに水を得た魚状態で、技術的な面白さとメディア運営の面白さを日々感じながらという感じで現在に至っている(ドメイン変更でブチ切れそうになったことがあったが、今となってはどうでもいいですね)。2年半も同じプロジェクトにいれば飽きそうなものだが、ところがどっこい、まったく飽きてない。
会社の変化
ここ1,2年くらいは会社の変化を感じている。ここ2年くらいの新卒は即戦力で尖ってるエンジニアも多いので良い。ビジネス職もキラキラ感が薄れてきたし、メディアを作っていく会社としての成熟が感じられるようになってきた。キラキラ、うぇーい系を毛嫌いしてる自分にとっては良いことだし、同じくその印象を持っている人が弊社に入社したとしても、合わないってことはあんまりないんじゃないかと思われる。
あとは数年先見据えて腰を据えてメディア開発するスタンスになってきたと感じる(AWAあたりからだろうか)。サービスを乱発していたころは間違いなくただの消耗戦で、撤退ルールにかからないために本質的じゃないことに力を削ぎすぎていた感じがする。
また、働きやすさの面でも変わってきていて、リモート開発が導入されたことでガッツリ集中して作業したいっていうときに有効活用している。基本的に生産性や成果が出せればどんな風に開発しても良いと思っていて、最近は会社もそういう考え方になってのでありがたい(人事の労務管理とかはこの規模だと大変そうだが)。
5年経つと勢力図も変わる
当時はソシャゲがかなり強かったし、任天堂の倒し方云々みたいなこと言ってるとこもあったが、Webの勢力図も随分と変わってきた気がするし、そもそも5年前はメルカリもなかった。後は国内だけを見ていてもしょうがないので、ちゃんと海外を見据えていこうというお気持ち。
動画界隈もここ2年くらいはサービスが乱発していて(ウチも例外ではない)、つい最近はDMM LIVEcommuneとかもリリースされたが、初期投資と体力がものすごく必要な動画界隈なので来年あたりからはいよいよ本格的な淘汰が始まると思っている。そうなったときに生き残れるのは技術的な優位性とメディアとして成立するかにかかってる。興味のある方は是非Twitterで気軽にメンションでもしてもらえればと。
最近
最近はもっぱらFRESH!の開発系ボスとして、レッドオーシャンな動画界隈においてプロダクトを磨き上げることに専念している。基本的にマイクロマネジメントはしない(めんどくさい)主義なので、指針だけは定義して若者メンバー含めて性善説に則って放牧している。立場の割には手を動かしてる方だと思われる。
技術的な話で言えば、今まで自分が見てきたアーキテクチャやWebオペレーションといった分野を徐々に委譲していっており、次世代の台頭を促している。当面はクライアント・サーバ間通信のgRPC化やservicemesh化を自己ミッションとして進めている。特にservicemeshはヤバい。これが一段落したら自分はクライアント側でアレコレやろうかなと考えている。
また最近は執筆を始めたので業務時間外のリソースはそっちに振り向けている(ブログの更新が減ったのはそのせい)。これは進捗が出たらそのうち報告で。
というわけでまさかの6年目スタートになったので、引き続きマスに媚びず実直にやっていこうと思うわけであります。